躁での買い物衝動
シルバーウィーク前、私は明らかにテンションが高かった。
テンションが高い＝軽躁を超えているので要注意のとき。
そんなときに、とある物件を買わないか、とお誘いがあった。
その物件は区分建物（マンション）１階部分の事務所用の１室なのだが、以前はその所有者が事務所として使っていたが、数年前にその方は亡くなり、買い手を探しているということだった。
値段を聞くと破格の安さ。
躁の私は買ってしまいそうな勢いになりかけた。
が、そこは躁の兆候を自覚していたので、
「とりあえず中を見せてください。」
というお返事だけ。
その後数日は躁も維持していたので、その事務所を買いたくてうずうずしていた。
実はその事務所には以前仕事で入ったことがあって、その事務所内の印象は残っていた。
白い内壁の窓が大きく、物件としては最良の東南の角。比較的大きな道路に面していて、駐車場もある。
しかも安い。
有り金はたいてキャッシュで買おうか～くらいの勢いだったが、シルバーウィークのど真ん中でしっかりプチ鬱に陥り、買いたい気持ちはど～んと収束。
そして今日内覧に行った。
鬱を経由したおかげで無事に買い物衝動は収まり、冷静な状態で見ることが出来た。
部屋の中はとても綺麗で、窓からの景色も良く、本棚等の什器も揃っていてやはり魅力的だったが、思ったよりちょっと狭かったのでお断りした。
本当にちょっとだけ。だから買ってもよかったのだが、そこは冷静に判断。
今後、良い物件が見つかったとき、他の物件を所有していると足かせになってしまう。
しかし、賃貸は確かに毎月賃料がかかるが、動きたいときにすぐに動ける。
ということで現状維持することに。
それにしてもあの躁のときの買い物衝動というのは困ったもんだ。
うっかり買ってしまいそうになる。
しかも、不動産を買うということはいくら安いとはいえ、それなりに高額なわけで、うっかりなんて普通ありえない。
しかし躁はそれがありえてしまう。
躁おそるべし。
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