続:願望:夫より早く死にたい
私が仕事をするようになってから、夫は数回私にお金を貸してほしいといってきた。
夫は個人事業主で人を雇っていたし、運転資金が必要とのことだった。
夫の仕事は仕事を終えてから入金までタイムラグがあるので、顧客からの入金があるまでの間だけ、入ったらすぐ返すから、という条件だった。
私も個人事業主なので、世帯は一緒でも確定申告は別だし、私の事業用資金から貸していた。
貸す度に、「もうこれが最後だからね?」「資金繰りは大丈夫なの?」
と聞いても「わかった」「大丈夫」としか言わなかった。
今から思えば結婚当初から夫には貯蓄どころか借金しかなかったのだ。
起業、開業するにも手持ちがなければ最初は借金からスタートするのは理解できる。
が、夫はかなり見栄っ張りなので、損益分岐点も考えず、起業当初から対外的に羽振りよさげにしていたのだと思う。
私も私で、社会を知らなかったため、あまり深く考えていなかったし、大丈夫っていうんだから大丈夫なんだろう、と深く詮索することはなかった。相手はひとまわりも年上だしね。
それに詮索すれば、「大丈夫だって言ってるだろ!」と逆ギレ。。。
そう、逆ギレ。逆ギレされて、口の達者な夫に負けていつも私が悪者に。
だから私はめったに口を出すことはなかった。
だから夫婦間の喧嘩もほとんどなかった。
そうしてのらりくらりと婚姻期間8年。下の子が8ヶ月のとき、全貌が判明する。
びっくりするような額だった、そりゃ国保滞納するわな。。。
個人事業主は売上、所得をあげ、そこから翌年に所得税、消費税などがくる。
夫は売上が手取り所得のような気持ちで生活していたのだと思う。
そこそこ繁盛しているので売上はあるものの、見栄っ張りも災いして散財し、翌年税金の納付書が届いてさあ、困った、となって、借金する。
つもりつもっていた。
私は下の子を抱え、自分の仕事をしながら、工面できるだけのお金を集めて夫の借金を返済した。元金を返さなければいつまでたっても借金は終わらない。一気にある程度のお金を返済する必要があった。滞納していた国保、その月の従業員の給料。その他もろもろ。土地くらい買えたよ。。。
さらに前妻との子への養育費も夫の収入から考えたら高すぎる金額を毎月支払っていた。見栄っ張りはこんなところにも出ていた。
私からお金を借りて、支払っていたのかと思うと、もう悲しいを通り越していた。
私は大泣きした。なんでこんな目に!!!と。
夫は反省してはいなかったと思う。
「あ、返してくれたの?ありがとう」
さらっと一言。
借金を肩代わりする代わりにたばこをやめるように、と約束した。
が、返済手続きをしていた銀行に遅れてやってきた夫はたばこ臭かった。
怒りが頂点に達した。
たぶん怒りは私の躁転へのスイッチなんだと思う。
借金が判明して、土地を買えるくらいのお金を肩代わりし、小学生の上の子、まだ0歳8ヶ月の下の子をつれて、私は離婚した。
もうやってられない、勝手にしてくれ、という感じだった。